30年間、5千人もの女性と向き合い続けてきた“ヨヨチュウ”こと代々木忠監督が、どうしたら人は心から目合い(まぐわい)つながれるのかを綴ったエッセイ、「つながる セックスが愛に変わるために」を原作とした、3篇から成るオムニバス映画が誕生した。
代々木監督の著書の大ファンである女優・中原翔子が、早川ナオミ名義で初プロデュースを手掛け、渡辺あい(84年生まれ)、深井朝子(88年生まれ)という、2人の新進気鋭の女性監督がメガホンを取り、原作のエピソードを女性ならではの視点で大胆に脚色。更に、オムニバス3作全ての監督助手を務めた淺雄望(87年生まれ)が、3作をつなぐ幕間映像を演出している。
また、本作には、女優・ファッションモデルとして活躍し、今年7月7日に第一子を出産したばかりの加藤夏希や、寺島進、諏訪太朗らベテラン俳優をはじめ、長谷川るみ、「仮面ライダーゴースト」でアデル役を好演した真山明大といった若手俳優など、実力派俳優たちが顔を揃えている。
母親の言いつけ通りの“いい子”として人生を歩んできた女子大生の抑圧された無意識が、電気となって身体から溢れ出す『感電』、離れていく彼氏の心を繋ぎ止めようとするあまり、愛のテクニックを学ぼうと風俗店に飛び込むOLを描く『おはよう、マコちゃん』、自分大好き!な美人女優が、どうしても「愛してる」の台詞が言えず監督と対立する『LOVE REVOLUTIONS』——。
本作は、三者三様の、恋愛できない=つながれない現代の女たちの悲喜劇を通して、歪な自己を抱え、自分とも他人とも向き合えなかった女たちが、自身の殻を破り捨てるその一瞬を捉える。なりふり構わず暴走する彼女たちの姿を、私たちは笑えるだろうか?
原作と映画が、3本の映画同士が、俳優と映画が、登場人物同士が、それぞれ絶妙に“つながり合い”、ここに一つの作品が誕生した。